旧ミニ(インジェクション)のOBDを自分で行う
ローバーのインジェクションミニ(1.3i)のOBDを、PCとかAndorid機で行うためのメモ。
0.インジェクションミニ(1.3i)のOBD診断のための基本。
インジェクションミニのエンジンルームにある、診断機接続用3ピンカプラは、MEMS(Modular Engine Management System)と呼ばれる5V TTLレベルのシリアル通信。
ローバー独自の通信規格なんで糞。
インジェクションミニのMEMSのバージョンは、MEMS 1.6。
あとはググれ。
ODB診断用のアプリ
PC(Windows or Linux)なら、MEMSGauge
Android用なら、MEMS_Diag
ただし、Android機は、USBホスト接続(OTG)に対応してないと、シリアル接続できないんで、
・GSMArena.comで、自機のスペックチェック(COMMS の USB の項に、USB HOST があるか)
・チェック用アプリ(USB OTG Checker)をインスコしてチェック。
接続用ケーブル
診断用3ピンコネクタに、シリアルで繋げば良い(GND、TxD、RxD)。
シリアルポートがあるPCなら話が早いが、今時そんなもんついてないことが多いので、
USBをシリアルに変換して使う。
・USBコネクタは、どの形でもOK。
・シリアル変換は、FTDIのチップ使うのが手っ取り早い。
・3ピンカプラは、タイコエレクトロニクス社(Tyco Electorinics)の17220-1。
今回は、GPD Pocket を使いたかったし、いずれはAndroid機も試してみたかったので、
USB-C/USB micro-B ケーブル ~ シリアル変換 ~ Tyco17220-1
という構成を目指す。
買ったもの
・USB-C~micro-B ケーブル。
適当に。こんなのとか。https://www.amazon.co.jp/dp/B071J2VSBL/
・超小型USBシリアル変換モジュール http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-08461/
安心の秋月電子。画像の下側のやつ。
・Tyco17220-1 タイコーエレクトロニクス 172201-1 カプラ
あと、端子も買っとく。 タイコーエレクトロニクス 端子 10個 170280-1
工作
削る。
超小型USBシリアル変換モジュール を、3ピンカプラの上部のくぼみに収まるように削る。
3ピンカプラを、超小型USBシリアル変換モジュールの、USB micro-B がはまるように削る。
結線する
あぁぁぁ、写真取るの忘れた。
端子を、超小型USBシリアル変換モジュール のGND、TxD、RxD に細めの線でつなぐ。もちろんはんだ付けだ。
ちなみに線が太いと、ピン挿入・基盤挿入時に、苦労するか事故る。
それが済んだら、カプラにピンを挿入。
基盤を押し込む
こんな感じで。
仕上げは
接着剤なりモールドなりで基盤を固めておしまい。
だが、固める前に、FT_Prog でのチェックと、実際にECUに繋いで、データが取得できるかを確認しておいたほうが良いかも。
使ってみる
■
2018/02/17 at 23:39
初めまして。96年式1.3i 35周年記念MTを亡き父から譲り受け乗っております。
製造後20年も過ぎると、購入先であった正規ディーラーさえ修理の対応に困ってるようで、
(ベテランスタッフの退職等のため)故障しないように祈るような気持ちで維持してます。
先日から、謎のアイドリング上昇のままで悩み、一応バキューム4本を新品交換してみましたが、
改善できず、ネット上の故障事例やその対処法を求めて、御ホームページに辿り着きました。
そこで、「眼からウロコ」のまさかの診断機器作制法!
このような診断を正規のディーラーでも受けておりません!
電気関連は全くの無知ですが、ハンダ付け作業の経験はあります。
そんな素人ですが、ご指示頂いてる部品をネットで調達して、PCにプログラムをダウンロードすることができますでしょうか?
特に、素人が注意すべきことがあれば、ご教示くだされば有りがたいと存じます。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
2018/02/18 at 09:42
ケロヨンさん、はじめまして。
結論から申しますと、
「今後のためにも」、近所のミニショップを探して、そこに相談すべきです。
アイドリングの問題はなかなか手強くて、
バキューム周りだけでなく、ECUのバキュームセンサの目詰まりや、
アイドリング調整ようのステッパモーターの故障、ロッドのギヤ割れなどなど
原因が多岐にわたります。
日常のチェックや調整ならば、この記事のようなレベルのもので大丈夫ですが、
ここはやはり、ひと通りチェックしてもらうべきかと思います。
御存知の通り、クラシックミニは、既にメーカーそのものがなくなってしまっています。
当時の正規ディーラーは、診断機器だけでなく、点検や修理の技術、
部品調達のルートも失われてしまっています。
クラシックミニ専門店を謳っている店には、そういったモノが残っておりますので、
亡き父君の残されたものを、長く乗られるつもりなら、
ぜひ一通り点検をしていただいたほうが良いかと思います。
なお、車のショップ全体に言えることですが、
腕の善し悪しや、店主との相性は必ずありますので、
何店か回ってみるのも良いかもしれません。
なお、どうしても自分でOBDをお作りになって、
とりあえずフォルトだけでも消して、様子をうかがいたいなら・・・・
・コネクタや基盤などの主要部品は、記事前半のリンク先で売ってます。
・ソフトウェアは、Android版がおすすめです。
PC版は調整できることが少ないです。
OTGが使えないとダメなので、そのへんは記事をご参考に。
・Android版を使うなら、ケーブルはmicro-B~micro-Bで。
もう少し細やかにアドバイス差し上げられればよいのですが、
ここしばらくスマホしか使えない状態でして、申し訳ありません。
2018/02/18 at 20:38
kendan さん、こんばんは。
早速のお返事に感謝申し上げます!
お言葉通り、購入先である正規ディーラーには診断機器など無く、
(見たことも診断のシの字も聴いたことが有りません。)
つい最近も、「部品手配できないんです。」と言われてしまいました。
やはり、ここはミニの専門店に相談してみることにしてみます。
また、ご教示通りに部材の調達も進めてみます。
丁寧にご説明頂き、本当にありがとうございます!
ゆっくり、やってみます!
2018/03/08 at 03:57
kendan さん、こんばんは。
先日は、初めての訪問にもかかわらず、御教示頂きありがとうございました。
通信ケーブルを入手しパソコン用に、kendan さんからのご案内のソフトを入手致しました。
でもって、お写真と同じ「4連メーター」の画面はパソコンに現れるのですが、エンジン回しても
反応なしです・・・。
「4連メーター」画面左上の「file」「option」への何か入力、またはその他の操作が必要でしょうか?
よろしく、ご教授賜りたくお願い申しあげます。
2018/03/08 at 10:16
ケロヨンさん
以下の順でチェックしていってください。
1.PCと超小型USBシリアル変換モジュールをケーブルで繋ぐと、
モジュール上の青色LEDが光りますか?
光る場合は次へ。
光らない場合は、ケーブルの異常か、結線に誤りがあるか、ケーブルに異常があり。
2.PCのコントロールパネルから、デバイスマネージャーを起動してください。
表示されたデバイス情報の中から、「ポート(COMとLPT)」を開いてください。
そのなかに、「USB Serial Port(COM*)」(*は数字でPCによって違うが、大抵は3)
が表示されているかどうかを確認し、表示されていたら、COM*を記録しておく。
表示されている場合は、ケーブルを抜くと、その表示が消えることを確認し、次へ。
表示されていない場合は、結線に誤りがあるか、
超小型USBシリアル変換モジュールが破損してる可能性があります。
3.http://www.ftdichip.com/Support/Utilities/FT_Prog_v3.6.88.402%20Installer.exe
をダウンロードし、インストールしてください。
インストールが終わったら、ケーブルを再度USBに接続し、
インストールしたプログラムを起動してください。
F5キーを押すと、ズラズラと情報が表示されるはずですので、
右側の枠の、Vender ID が 0x0403、Product ID が 0x6015 であることを確認。
そのとおりであったら、次へ。
4.4連メーターのプログラムを起動し、メニューの「Option」から「Setting」を開き、
「Serial Device Name」を、先程記録した「COM*」に変更。
5.カプラをECUにつなぎ、4連メーターの「Connect」をクリック。
これでデータを拾えるようになるはずです・・・
********** 以下重要 **********
ちなみに、最下段「clear fault code」で、フォルトは消せます。
が、ミニショップを見つけて点検してもらうのなら、「自分で消さない」ほうが良いです。
貴重な「不具合の痕跡」を消してしまうことにもなるので・・・
2018/03/08 at 22:29
kendan さん、こんばんは。
先ずは、何より御礼申し上げます!
御教示頂いた通りに作業を進め、「4連メーター」が無事作動致しました!
また、これも同じく、現時点フォルトは消さずにそのままに致しております。(coolant temp sensorのみでした。)
ここで、御報告がございます。
①USB Serial Port は「COM5」でした。
②Ftdichip からDLした Vender ID は 0x0403でした。(ご指示通りの表示)
Product IDは 0x6001でした。 (6015でなかったんですが、他にすべなく続行致しました)
③結果「4連メーター」無事作動!
本当にありがとうございます。
ちなみに、アンドロイド版はスマホ仕様が前提と聞き及んでおりますが。
なので、ネットに繋がった状態(オンライン)でないと作動しないと考えたら良いのでしょうか?
また、お時間あるときに御教示下さいませ。
本当に、ありがとうございます。
2018/03/10 at 15:08
ケロヨンさん
動作しましたか、良かったよかった
・COMの番号は、他のデバイスとの関係で違いが出るので、気にせず大丈夫です。
・Product ID は、使用チップのバージョンが違ったようですね。
コレも動作には問題ないので気にせずどうぞ。
ただ、FTDIのチップには偽造品があるので、
Vender IDだけは同じでないと、後にいろいろ支障が出るのです・・・
・アンドロイド版は、アプリがインストール済みなら、
オンラインである必要はありません。
今後も、ミニのある生活をお楽しみください
2018/03/10 at 23:49
kendan さん、こんばんは。
お世話になります。
おかげさまで、接続が出来ました。見ず知らずの私に御丁寧に解説頂きありがとうございます。
ゆっくり、長く父から受け継いだミニを乗って参りたいと思います。
今後も、よろしくお願い致します。
本当に、ありがとうございます!